ハブとしてのドバイ


ドバイについて調べていくうちに、現在の不動産投機熱の危うさと同時に、地理的な「優位性」と投資対象としての「堅牢性」もみえてきました。



ジャーナリストの加治康男さんがお書きになった以下の記事(2008/02/04メディアサボール誌)が非常に参考になります。



以下、一部引用しますね。


(以下引用開始)


中東の輸送ハブに成長したドバイへ殺到する世界の航空業界、出遅れる日本
 「ドバイの発展の勢いは想像を超えている。輸送面でも中東、アフリカ、中央アジアへの一大拠点になった。東アジアでは中国、韓国の航空各社は競って乗り入れているのに、日本の大手2社はチャーターすら飛ばさない。出遅れに焦る様子もない」。中東ビジネスの最前線で働く商社マンはあきれた果てた面持ちで語った。

 日本の中東報道は、イラク戦争パレスチナ情勢、頻発するテロ、核開発をめぐるイランと米国・イスラエルとの緊張など━きな臭い話題で占められている。しかし、「もうひとつの中東」は脱石油依存時代を先取りして、ダイナミックで驚異的な経済成長を続けている。その象徴が空前の開発ブームに沸く、アラブ首長国連邦の中心地ドバイである。

 埼玉県とほぼ同じ面積のこの都市国家を称える言葉は数限りない。中東のシンガポール、20年間で国内総生産(GDP)は30倍となって石油の占める割合は6%に減少、人口は6倍増の120万人で住民の8割が外国人、人工衛星からみえる唯一の人工島群など各種観光施設・中東最大のショッピングセンター・世界一の高層ビル建設など相次ぐ巨大プロジェクト、世界のクレーン数の2割が集積━等々がその一部だ。

▼東アジアからの空路

 ドバイの輸送拠点としての強みは、世界有数の機能と規模を備えた空港と港湾が近接し、数時間で貨物を船舶からエアカーゴへと移送できる点にある。第3国の航空会社が自由に路線を設定できるオープンスカイ(航空自由化)政策もいち早く導入された。今や中東各地のみならず、アフリカ、中央アジア、ヨーロッパ方面への人・モノの流れの不可欠な中継点となった。近隣国カタールのドーハがこれにならい追いつこうと躍起になっている。

 東アジア各国の中では近年、アフリカ、中東へと資源外交を積極展開する中国の動きが群を抜いている。中国国際航空中国南方航空が北京、広州を起点にドバイ経由で欧州、アフリカ方面へ週計5便、ドバイのエミレーツ航空は北京、上海(浦東)から1日2便、同貨物便が上海(同)から1日1便。このほか、ケニア航空がナイロビと広州間をドバイ経由で週3便、米貨物大手のUPS(ユナイテッドパーセルサービス)とFedExフェデラルエクスプレス)がそれぞれクラーク(フィリピン)から上海、ドバイ経由の欧州便、クラーク(同)から広州、ドバイ経由の欧州便を1日1便運航している。韓国からは大韓航空が旅客、貨物便をそれぞれ週3便、エミレーツ航空が旅客便を毎日運航している。



(引用終わり)


ハブとしてのドバイの重要性、なかなか興味深いですね。


上記記事の前文はこちらから。